DeNA山崎康晃の「通算200セーブ達成」が知らされると、少なからぬ阪神ファンからも拍手が起こったのがせめてもの救いか。虎党にとって見どころなしの完敗。DeNAの勢いの前に打つ手なし…。いや、そうではないだろうという気がするのだ。
伊藤将司が満塁被弾したのが直接の敗因なのは誰でも分かる。しかし伊藤将の立場になれば「そろそろ点を取ってくれないかな」という気分だったろう。6回まで走者を出しながらも粘って無失点。しかし味方打線はDeNA以上に得点できる気配がなかった。
伊藤将は直近の2試合、つまり今月10日DeNA戦(横浜)同17日ヤクルト戦(神宮)と2試合続けて「完投負け」を喫している。もちろん過去には打線に助けられた試合もあるが、それでも今月に入ってからはほとんど援護なし。打たれたのはその状況を辛抱しきれなかったような真ん中ストレート、失投だった。
打てない、点が取れないのは仕方がないかもしれないけれど何というか上位のDeNAに対する「挑戦者」としての気迫、自覚が感じられないのだ。
1回1死、島田海吏が中前打で出た。続く近本光司はコロナ離脱から復帰したばかりで状態はベストではない。だからこそ、ここは何か仕掛けるか。島田はスタートするのでは。そう思っていたが近本が初球を打ち上げて中飛に終わった。
さらに4回。今度は1死からその近本が左前打で出た。4番・佐藤輝明の前だが、なにしろ得点できていない現状。久しぶりに走る近本も見たいと思ったが佐藤輝はこれも初球を打って中飛だ。仕掛けるヒマがないというか、安打が出るのを待っているというか。とにかく動きがなかった。
初球をたたくのが必ずしも悪いわけではない。例えば7回に先頭・佐藤輝が8球粘って歩いた直後、大山悠輔が初球を打って出たのは理解できる。安打になったから言うのではなく「四球後の初球」は1つのセオリーだし、何より「佐藤輝=大山」のコンビなら長打待ちの強攻策が基本だ。
だからこそ中野拓夢を含め、島田、近本の俊足トリオを塁に置いたときはなんとか仕掛けてほしい。実際に阪神が勝ってきたときはそういう場面が多かったではないか。そうすることで「行くぞ!」という勢いが出るし、何より、それがなければ今のDeNAには歯が立たない。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




