31日は外国人選手獲得の期限だ。「新しい外国人、もう取らないですよね」。快勝後、通路を引き上げる指揮官・岡田彰布に確認してみる。「そんなん。いらん、いらん。もう忘れとるわ」。岡田はそう笑い飛ばしたのである。
「助っ人不要」を証明するような試合になった。座席調整などで普段より多い4万6831観衆が入り、息の長い人気を誇るバンド「TUBE」も登場して盛り上がる甲子園。そこで展開されたのは“岡田の考え”だったかもしれない。
「外国人選手、そんなにいらんやろ。いまは米国も球団増えてるし、そんなにエエ選手はけえへんしなあ。若いヤツの出番も減ってまうしな」。春先からの雑談でよく出る岡田の“助っ人感”である。
日米ともに非凡な選手はいるが、やはり、それはひと握り。そしてメジャーで活躍できるレベルの選手は普通、日本には来ない。あちらでそこそこの成績を収めた選手が日本で成功できる時代もあったが、こちらのレベルも上がり、現在はそういう感じでもない。
岡田の意見だけでなく、日本球界の“常識”とも言えることだろう。低迷しているチームでもそうそうシーズン中に獲得に動かないのは、それが理由だ。阪神は今季、打線の不振に悩んでいたがそれでも新たな助っ人を取らなかったのも当然と言えば当然だ。
その意味では対照的な試合になったかもしれない。来日したばかりのモンテスを才木浩人が抑えた。モンテスは来日最初のDeNA戦で好調だったが、今後、どうなっていくか。1つの注目点だろう。
そして阪神はこの日も“和製クリーンアップ”がつながった。気持ちよかったのが8回、森下翔太が放ったダメ押し弾だ。まさに「助っ人はいらん」と言わんばかりの豪快な一撃。勝利を決定づけたのは大山悠輔の3ランだし、6番スタメン、若い前川右京の先制打も効いたのである。
1回に森下、2回に大山とそれぞれ併殺打を記録したが岡田は言い切った。「クリーンアップに細かいことでけへんからな。(併殺は)全然気にしてなかったし、そんないつもいつもつながってたら試合終われへんやんか」。それで負けていたら、談話もまた違ったかもしれないが大事なのは結果だ。阪神に来ているこの“流れ”がどこまで続くか。まずは巨人に勝ち越したい。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




