指揮官・岡田彰布が「80番」を背負っている理由は諸説あるが、その1つに優勝の確率が高い80勝を目指しているから…というのがある。数字にこだわる岡田なので、もっともらしい話だが、80勝が優勝条件なのは正解だろう。
阪神はこの勝利が今季60勝目となった。セ・リーグでは広島、巨人に次いでの到達だ。残りは21試合なのでなんとか80勝のチャンスは残った。まあ、さすがにそれはないと思うけれど…。
しかし今季に限れば広島も巨人もはたして80勝に到達するかどうか…という感じもしている。どちらかが連勝、連勝でいけば到達するだろうが、今の感じならどうか。春先からの大混戦が影響しているのだろう。
繰り返すが、阪神が80勝するには残り21試合を20勝1敗以上の成績でいくことが必要だ。「そんなに勝てるなら、もう勝っとるわい!」という感じだが、まあ、明日のことは誰にも分からないので成り行きを見守るしかない。
いずれにしてもハッキリ言えるのは、人間、できることは目の前のことをしっかりやることだけということだ。野球、阪神にしてもそれは同じだ。この日は高橋遥人が好投したし、打つ方も満塁男の木浪聖也が期待にこたえた。それがあっての勝利だろう。熊谷敬宥の犠打も良かった。
さらに地味だが「いいな」と思ったのは梅野隆太郎のブロックである。高橋、最大の危機は7回。2点リードながら2死二、三塁で打者・村松開人の場面だ。カウント0-1から高橋が投げた2球目、この試合、89球目はワンバウンド。
これを梅野が体を投げ出して止めた。そらしていれば得点され、なおもピンチが続いていたかもしれない場面。それが事なきを得たのだ。今季は“らしくなく”そらすこともあった梅野だが、ここはしっかり止めたのである。
「お尻は浮いていたけどね。でもミットが地面についていたからよかった。ミットが浮いてしまえばあかんけど、あれなら大丈夫。ナイス・ストップです」。バッテリーコーチの嶋田宗彦はそう説明した。
当たり前だが、いきなり連勝はできない。1つずつ、だ。そのためには小さくても着実なプレーを積み重ねていくしかないのだ。広島も、京セラドーム大阪で戦った巨人も負けた。Aクラスで勝ったのは阪神だけ。悪くない夜になった。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




