公式戦では見たくない展開だ。序盤、優勢に試合を進めた阪神は8、9回にブルペン陣が失点し、逆転負け。オープン戦だから勝敗は関係ないとはいえ、寒い気候の中、3万7525人を飲み込んだ甲子園もがっくりという感じだ。
そんな試合でもったいないな、と思うのは遊撃スタメンだった小幡竜平である。1回表、いきなり梶原昂希の放った強いゴロを横っ跳びでキャッチ。一塁で刺し、観衆をうならせた。
その勢いをかってか、打棒も光る。3回、先制点につながる右翼線二塁打を放つと5回の四球を挟んで6、8回にそれぞれ遊撃内野安打を放つ。これで3打数3安打の猛打賞。勝っていれば殊勲者に選ばれていい活躍のはずだった。
しかし、である。4-0のリードで迎えた8回表にミスが出た。無死一塁から蝦名達夫の放った平凡な遊ゴロを、グラブの下を抜ける感じでそらしてしまう。無死一、二塁になり、そこから適時打が出て、この回2失点。この時点で投手の自責は「0」だった。
これで流れが変わった…と言ってしまえば厳しいのかもしれないが、9回に投げた島本浩也も打たれて3失点。昨年、CSで煮え湯を飲まされたDeNAに逆転負けを喫するのである。シーズンなら頭を抱えるような展開である。
「そうですね。ミスで失点につながると流れは変わってしまう。併殺を狙ったのだろうが、状況を考えれば、あそこは割り切って1つアウトを取るという気持ちでいけばよかったのではと思います。これが野球…という感じもしますね」。総合コーチの藤本敦士はそう振り返った。
小幡はうまい。だがミスも出る。例えば昨季6月29日のヤクルト戦(神宮)で同じような状況で失策。「ゲッツーをとるケースじゃないやんか?」と前監督・岡田彰布(現オーナー付顧問)を怒らせたことも。
昨季は正遊撃手の木浪聖也が114試合で8失策(守備率9割8分4厘)だったのに対し、小幡は45試合で5失策(同9割6分8厘)という数字もある。守備の名手で売りたいことを考えれば、ここはもっと頑張りたい部分だろう。
「オープン戦でやったことをシーズンでどう生かすか、でしょうね。落ち込んでいる時間はないわけですから」。藤本はそうも話した。守備が課題のチーム全体にとっても言えることだと思う。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




