叱られるかもしれないがオールド・ファンには懐かしいムードだろうか。やることなすこと、うまくいかず逆転負け。「昔はこんなんやったな」。苦い記憶を思い出していた虎党も少なくないはず。強い阪神しか知らない若いファンに「こんな試合ばっかしてた時代から強くなったんやで」と教えてあげてください。
と言ったけれど、そんな場合でもなさそうだ。西武との敵地3連戦3連敗はとにかく内容がよくない。10日は桐敷拓馬で逆転され、11日は湯浅京己、岩崎優で逃げ切りに失敗。そしてこの日は森下翔太の先制弾が出たのに“スミ1”でまた逆転された。3試合連続で逆転負けはこたえる。
特にこの日は厳しかった。今季は失策数もセ・リーグでもっとも少なく「投手を中心にした守りの野球」ができていたはずなのにポロポロやった。それも主力選手が、だ。
失策ではないがバウンドに合わせられなかった2回の右翼・佐藤輝明。4回の左翼・森下翔太がイレギュラーした打球をそらしたのはグラブにさわっていないが失策がついた。8回には一塁・大山悠輔がゴロをファンブル。クリーンアップ全員が苦い思いをしたはずだ。さらに8回1死満塁の好機に出た一走・佐藤輝の憤死には思わず「ひえ!」と声を上げてしまった。
今後、失速していけば間違いなく「あの西武戦が」と思い出されそうな3連敗だ。焦っても仕方がないがここは早く流れを変えたい。13日からの敵地・楽天戦を前にできることは何か。
交流戦前には熊谷敬宥のスタメンを私見として書いたが、ここは前川右京の1軍再昇格はどうだろう。守り切れなくての3連敗だが得点も「2」「2」「1」。こういうときはドカッと得点して勝ちたい。
前川はウエスタンリーグでは11試合に出場し、34打数16安打の打率4割7分1厘、長打率7割6分5厘、そして出塁率5割9分1厘と好調だ。やはり打撃に関しては2軍レベルではないところを感じさせている。
交流戦前の2日、指揮官・藤川球児は前川について「ファームにいる選手。どの選手も下からの報告でやっている。私の一存で、いきなり上げるとかは全く考えていないですね」と話していた。そこから時間は経過している。DH制も楽天3連戦で終わり。ここは流れを変える意味でも、開幕スタメンの前川を昇格させる機会かもしれない。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




