なんとなくイヤな相手になるかもしれない。中日のことだ。延長11回の末に左腕・島本浩也が打たれ、阪神は7月の2敗目を喫した。それでも大きく響く敗戦ではないとは思う。そこにはセ・リーグの“現状”があるからだ。

先日、広島3連覇監督・緒方孝市(日刊スポーツ評論家)が言っていたことだが、この状況だと「取りこぼし」という感覚があまりないという。上位を争う球団に重要なのは相手との直接対決。当然だが、もう1つ言われるのが「下位チームへの取りこぼし」だ。

上位を僅差で競っているチームがある場合、相手は当然として、下位チームにも負けられなくなる。「取りこぼしはこわい」となるからだが、現状、これは今季のセ・リーグでは当てはまらない。

阪神がどこと対戦していているときでも2位以下がほとんど“つぶし合い”になっているからだ。阪神が大きく連敗し、そのときに例えば巨人だけがすさまじく連勝してくるような場合でない限り、ここからの逆転は考えにくい。だからこそ首位を突っ走っている現状は相当に有利なのだ。

それでも少しだけ気になるのがこの中日戦である。この日で5勝6敗と、借金「1」に。これだけ勝っている阪神でここだけエアポケットのようになっているかもしれない。

注目するのは試合数だ。残り57試合のうち、中日戦は14試合。これは5球団の中で最多だ。そんなことはないと思うが、ここに大きく負け越すかも…と想像するとイヤな感じである。

「個別のチームに(コメントするのは)どっちにしても失礼な気がするのでやめておきます」-。この時点でそんなことを言ってもなあ…と思いつつ、そのあたりを球児に問うてみた返答はこれだ。

先発の高橋遥人について試合前、球児はこんなことを言っていた。「無事に健康で終わってくれればそれでいいです。頑張ってもらうのは来年からでいい」。今季の戦力にならなくていい投手をこの時期に先発させるのはなかなかだろう。阪神の現状を受ければ理解できることだ。それほどの位置にいるということだ。

もちろん油断はできない。何が起こるか分からないのがこの世界。それを知っているからこそ、球児も不用意なことは口にしなかったはず。それでいいと思う。大事なのは16日のゲームだ。(敬称略)

阪神対中日 阪神2番手の木下(撮影・上田博志)
阪神対中日 阪神2番手の木下(撮影・上田博志)
阪神対中日 9回、4番手で登板した阪神及川(撮影・藤尾明華)
阪神対中日 9回、4番手で登板した阪神及川(撮影・藤尾明華)
阪神対中日 9回、4番手で登板した阪神及川(撮影・藤尾明華)
阪神対中日 9回、4番手で登板した阪神及川(撮影・藤尾明華)
阪神対中日 9回表中日1死一、二塁、石伊を併殺打に打ち取りグラブをたたく及川(撮影・上田博志)
阪神対中日 9回表中日1死一、二塁、石伊を併殺打に打ち取りグラブをたたく及川(撮影・上田博志)