好投していた先発・伊藤将司が5回、一気に崩れ、阪神は逆転負けを喫した。
2死二塁となって田中幹也に四球を与えたのが痛かったかもしれない。6回を投げた伊藤将が出した唯一の四球だった。
これで中日戦は9勝10敗となり、4日の第3戦に勝っても五分。このコラムで以前に敵将・井上一樹が「強いチームに臆せず向かっていけとは言っている」と話したことを書いたが、他球団には強い今季の阪神が中日にはなかなか勝ち越せない現象は続く。
とはいえ、この1敗でどうこうはない。「M6」はめずらしく減らなかったが、もう、これは時間の問題だ。虎党もすでに気持ちはV決定後のクライマックスシリーズ(CS)に向かっているのではないか。
どこがCSファイナルの甲子園に乗り込んでくるのか。これはどうしても気になるところ。確証はないというか、勝負事なので当然なのだが、2位の巨人が上がってくるのではないか、とこちらは見ている。
だから前カードの甲子園での巨人3連戦は大事かも…と書いた。結局、阪神はそこで2勝1敗とキッチリ勝ち越し。その3戦目が行われた8月31日に今季初めて1軍に昇格してきたのが畠世周だった。昨オフの現役ドラフトで阪神が巨人から獲得した投手である。
その畠がこの試合で今季初登板、阪神投手として初めて1軍で投げた。3点ビハインドの7回に2番手で登板。田中、3番・上林誠知、そして5回に決勝3ランを放っていた4番・細川成也を右飛に切り、3者凡退に取った。好投だろう。
4月3日のウエスタン・リーグ広島戦の1回に緊急降板して「右中指のコンディション不良」の発表。そこからリハビリを続け、今季122試合目での初登板となったのだが、その31日のこと。古巣・巨人のベンチへあいさつに出向く畠の様子をじっと見守っていた人物がいた。指揮官・藤川球児である。
「彼には甲子園の巨人戦で投げて活躍してほしいんですよ。そういう思いで獲得したんです。きょう(31日)は才木(浩人)が先発だし、投げないと思いますけどね」。視線を畠に向けながら、そんなことも口にしていた。
監督になってからはどちらかと言えばドライに努める球児にすればめずらしい“ロマン思考”かもしれない。それがCSで実現するか。1つの注目点だ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




