先発・大竹耕太郎の2桁勝利、あるいはエース村上頌樹の奪三振レースなど、個人記録に見どころのあった試合だ。もちろんCSを控えた調整の日々でもあるのだが、そんな中、少し“不安要素”のようなものが出たかもしれない。

阪神対中日 選手交代を告げベンチに引き揚げる藤川監督(撮影・上田博志)
阪神対中日 選手交代を告げベンチに引き揚げる藤川監督(撮影・上田博志)

森下翔太である。この日も「3番・右翼」でスタメン出場したが5打数無安打3三振だった。7回は読みが違ったのか高橋宏斗のストレートをあっさり見送って三振に倒れるなど元気のない様子だった。それにコメントしたのが他ならぬ指揮官・藤川球児だ。

「森下が少し昨日のところから心の揺れ動きが出ているので。そのあたりは彼はまだ成長段階にあるので、こちらもしっかり見ていかなければならないというところですけど」。自ら森下の状態をそう切り出し、落ち着いていないように見える状況を説明した。

26日中日戦の2回、見逃し三振に倒れた森下翔太は白井球審に猛抗議
26日中日戦の2回、見逃し三振に倒れた森下翔太は白井球審に猛抗議

「昨日のところ」というのは、やはりアレだろう。26日の中日戦の2回、見逃し三振に倒れたことに「いやいや」と手を振って露骨に不満を示した森下は、球審・白井一行と“一触即発”のムードになった。打撃コーチの上本博紀がベンチを飛び出して仲裁に出て、事なきを得たが、この日の様子はその影響を感じさせたのかもしれない。

最近の阪神ではめずらしいというか、あまり見ない光景だった気もする。反響も大きかった。最近の成績自体は好調というほどではないが、それほど落ち込んでいるわけではない。何かあるのだろうか。

もっとも2000年(平12)生まれの森下は8月に25歳になったばかり。中大を出て3年目だが、例えば会社員ならどうかと思えば、相当な重責を担っていると言える。3年目でチームの中心になっているのは、やはり大変だと思う。

前監督・岡田彰布(オーナー付顧問)も折に触れてその名前を出し、ときに厳しく指導していた。もちろん、球児もそれは分かっている。だからこそ「こちらもしっかり見ていかなければならない」という表現を使ったのだろう。

それと同時に「大きなところでは、そういった選手の力が必要になりますからね」と話し、期待していることを示した。言うまでもなく、重要な戦力だ。試合後のコメントはなかった森下、聞けば「別に何もないですよ」と言うかもしれないが、とりあえず心身とも元気に準備してほしいと思う。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

阪神対中日 3回裏阪神1死二塁、森下は三振に倒れる(撮影・上田博志)
阪神対中日 3回裏阪神1死二塁、森下は三振に倒れる(撮影・上田博志)