宜野座キャンプ初日に思ったのは「年を重ねるとカタカナが苦手になる」ということだ。みんながみんなそうとは限らないだろうが、よく聞く話だし、こちらとしてはそんな実感の日々だ。だからなのかどうか。今季の新助っ人の名前は結構、覚えにくい。そう思うのはこちらだけか。
ノックで遊撃を守った野手のディベイニーもそうだ。最初は「デバニー」という表記もあったがこれに落ち着いた。ディベイニー、ディベイニー…とつぶやきながら打撃練習を見て「おや?」と首をかしげる。
打席に入る前のティー打撃だ。右肩にビーチボールのような柔らかいボールを乗せ、その上にバットを置き、そこからスイングしている。まあまあ長い間、プロ野球を取材しているつもりだが、こういうのは見たことがない。
彼がその練習をしているとヘッドコーチ・和田豊、打撃コーチ・小谷野栄一、さらに総合コーチの藤本敦士も腕を組んだりしながら、じっと見つめている。彼らも見たことがないかもしれない。あれは何なのだろうか。
「う~ん。まあ、謎ですね。あれは。まだ話を聞いていないので分からんですわ」。藤本は苦笑しながらそう話した。小谷野も少し真剣な表情で「まだ聞いていないので。これから話をしていきますけどね」と語るに止めた。
本人に聞いてみる。答えは「それは秘密です。若い頃から続けているルーティンの1つですね」。笑顔を浮かべながら、そう話したのである。なんとなく予想はつくとはいえ、あれは何なのか。
「分からないですけど、多分『軸で打つ』ことを意識づけようとしているんじゃないですかね。一時、メジャーで流行していた考え方だと思います」。こちらの疑問にそう答えたのは桧山進次郎(日刊スポーツ評論家)だった。
やはり、というかそういうことだろう。言葉で表現するのは難しいが、打ちにいくときに腕がほどけ、手打ちになるのを防ぐ意味合いがあるのかもしれない。その練習方法が有効と思うのなら他の選手も取り入れればいいし、これも新しい戦力が入ってくることの1つの効果かもしれない。
まあ練習方法はどうでも、結果を出してくれればそれでいい話なのだけれど。笑顔を絶やさないディベイニーのフレンドリーな様子だけは分かった初日だ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




