100年を迎えた夏の甲子園出場をかけた熱い戦いがスタートした。開幕戦で三条が塩沢商工を下し、快勝した。初回、先頭の平原駿也(3年)の左中間三塁打で打線が勢いづき、3点先制した。その後も得点を重ね、最後まで塩沢商工を寄せつけなかった。
鋭い金属音が新潟の夏を告げる号砲になった。1回表、カウント0-1。左打席に入った先頭打者の平原が、甘く入った直球を豪快にたたくと、打球は左中間を一気に抜けた。「1番打者だから、自分がチームを勢いづかせ、流れに乗せたかった」。思惑通りに初回に3点先制し、主導権を握った。
今春は3番を担っていた豪打の持ち主。しかし、先頭打者は気に入っている。「クリーンアップより、自分がチャンスをつくる方がいい」と話し、「投手は後輩に任せ、打撃に専念して支えたい」と続けた。というのは、背番号1のエースナンバーを背負いながら、初戦の登板機会はなかった。2回戦で対戦する第1シードの中越戦に備えた温存ではなく、実は右ひじを故障し、まだ万全の状態に回復していなかった。
6月14日の前橋育英(群馬)との招待試合だった。「投げていて5回くらいに急にピキッときた」と痛めた。整形外科に通いリハビリに励んできたが「まだ、痛い状態」と言う。ところが、決してネガティブ思考にならないのが平原の真骨頂だ。この試合で先発した夏見謙人(2年)は「ベンチで肩をたたいてもらい、リラックスする雰囲気をつくってもらった」と励まされた。打撃で貢献し、投手への気配りも忘れていなかった。
新潟・弥彦中3年のときにKボールのU-15日本代表に選出され、アジア選手権(インド)に出場。外野手として韓国、台湾ほか4カ国と対戦した。中学時代に世界を経験し、高校の最終学年になって「強気になった」と何事にも動じなくなった。次は優勝候補の中越戦だが、もちろん気後れしていない。「投げたいという気持ちはある」という思いを封印し、平原は打撃で大暴れをもくろんでいる。【涌井幹雄】

