小出が延長10回の激闘の末、糸魚川にサヨナラ勝ち。今大会初の延長戦を制した。2-2で迎えた延長10回1死二塁の場面で、金沢海斗(かいと)主将(3年)が中前へ劇的なサヨナラ打を放った。二塁走者の高橋太雅(たいが=3年)が本塁に突っみ、2時間12分の熱戦に終止符を打った。2回戦では優勝候補の上越と対戦する。
ホームベース上に土煙が舞い上がった。ヘルメットを飛ばし、高橋太が本塁にヘッドスライディング。勝利を確認すると、三塁側ベンチから小出ナインが小躍りして飛び出してきた。2時間12分、延長10回の激闘は劇的なサヨナラだった。前山隼人監督(28)は「私の寿命が縮んで、選手たちの野球寿命がのびた」とホッとしたように話した。
試合後のベンチで前山監督と金沢主将はこんな会話を交わしていた。「打てると思っていたか」「思いませんでした」「じゃあ、みんなが打たせてくれたんだな」。中前へのサヨナラ打は全員の勝利への執念が乗り移っていた。10回表1死一塁ではピックオフプレーでピンチを脱した。和田康平捕手(3年)が一塁走者を刺し、相手に傾いていた流れを変えた。前山監督は「このイニング(10回裏)が勝負だよ、と選手には話していた」。もくろみ通りにその裏、勝利を決めた。
延長戦は苦い経験をしていた。今春の県大会2回戦で、4強入りした十日町と延長12回の末、2-5と敗退。以後は「1球に集中しよう」という前山監督の掛け声のもと、チャンスの1球、ピンチの1球をテーマに練習に集中してきた。そんな努力が、大事な夏の初戦で開花した。殊勲打の金沢主将は「実りある春の敗戦から成長できた」と話した。
注目の左腕エース、庭山希(3年)は150球の粘投。勝利を信じてマウンドに立ち続けたが、金沢主将が打席に立った場面では確信に変わっていた。「誰よりも早く学校にきて練習する姿を見ている。やってくれると思った」。走者の高橋太も二塁ベース上で「気持ちだ」という思いを込めて、金沢主将に向かって胸をたたいた。全員の気持ちが勝利へ1つになった瞬間。小出は、持ち味の全員野球で勝ちをつかんだ。【涌井幹雄】

