3季連続の甲子園出場を狙う静岡が、日大三島を下して初戦突破した。初回、内野ゴロの間に先制すると、3回1死満塁で堀内謙伍(3年)が2点適時打。常にリードを保ち、落ち着いた試合運びで寄せ付けなかった。

 静岡が強さを見せつけた。日大三島の小沢が初回から140キロ台を連発し、堀内は「速いのでコンパクトなスイングを心がけた」という。第1打席のカウント1-2から内角低めへ来たボール球は152キロを表示した。しかし、続く外の変化球を左中間に二塁打。見事に対応して見せた。

 1死満塁で迎えた3回の第2打席は、高めに抜けたフォークをしっかり捉えて中堅へ。堀内は「狙いを絞らずにストライクだけを振った」。昨夏まで特徴的だった逆方向へ運ぶ打撃を意識し、快速右腕を攻め立てた。

 小沢とは昨冬の台湾選抜でバッテリーを組んだ。堀内は「あの時とは速さも違ったし、変化球も増えてた」と話す。この1週間は雨続きで満足のいく練習はできなかったが速球対策を重点的に行ったという。

 昨夏は初戦が再試合になり苦しいスタートだったが、この日は無失策で相手につけいる隙を与えなかった。観戦に訪れた昨年の副主将の石井優輝(関学大1年)は「あいつら心臓に毛が生えてます」と笑いながら感心していた。堀内は「1戦1戦、自分たちの野球をやりたい」。勝利を重ねる強い決意を示した。【加納慎也】