一関学院の佐竹城一郎投手(3年)が、三塁走者で激走し、8回一挙5得点逆転を演出。盛岡北を退け、5年ぶりに決勝に進出した。

 思い切った本塁突入が、一関学院に勝利を呼び込んだ。1点差に詰め寄った8回、なおも1死二、三塁。右翼線二塁打と野選で三塁に進んでいた佐竹は、打者の二ゴロでスタートを切った。完全にアウトのタイミングだったが「スライディングしたところにキャッチャーミットがあった」。捕手のミットをはじき飛ばし、落球を誘って同点の生還。ボールがホーム後方に転がる間に、二塁走者・田村裕哉(3年)が逆転のホームを踏んだ。

 「自分がかえってチームに勢いをつけたかった」と言った。4回1死一、二塁から2番手で登板。5回にけん制悪送球、スクイズを失策と自らの2つのミスで1点を献上した。打撃と走塁でそれを帳消しにした。やや無謀に見えた突入は「思い切っていくしかなかった」と必死だった。

 「今度はピッチングで貢献したい」と、佐竹は連投も辞さない構え。一関学院5年ぶりの甲子園へ、背番号13の右腕が夢をかなえる。