栃木県初の夏5連覇を目指す作新学院が、4強に進出した。延長10回無死一、二塁、プロ注目の朝山広憲投手(3年)が3点本塁打を放ち、文星芸大付を下した。「苦しい場面だったので直球でストライクを入れてくると思った」。狙い通りの初球だった。内角直球を振り抜き、右翼ポール際へ突き刺した。

 1年夏から2年連続で甲子園を知る男が、今年は苦しんだ。春の県大会前にひじを痛め、春は準々決勝の矢板中央戦に、1打者4球のみの登板に終わった。食事管理と筋力トレーニングに励み、春から体重は3キロ増えて78キロに増やした。決勝弾に「今までだったら外野フライでしたが、成果が出ました」とパワーアップを実感。この日は投球練習も行い、夏の初登板も見据える。「ひじは大丈夫です。準決勝、決勝で投げたい気持ちはあります」。二刀流完全復活へ向け、気合は十分だ。