岡山学芸館が初の決勝で、劇的に夏初出場を決めた。3-5の9回は1番・岡本祥吾内野手(3年)から始まった。岡本は前日24日の準決勝・玉野光南戦のサヨナラのヒーロー。ドラマは続いていた。岡本からの3連打で無死満塁とし、4番の喜納智志外野手(同)が逆転の三塁打。「2年の春から4番を任されたのに、今年になってやっと結果が出るようになりました」。千金打に、沖縄生まれの主砲は胸をなでおろした。

 準決勝まで5試合で42得点、チーム打率3割6分の攻撃力で、創志学園の好投手、高田萌生(ほうせい=2年)を終盤に攻略した。気温34度の中での激闘。1点差に追い上げた8回2死三塁で、相手三塁手が足をつらせて倒れたときは岡山学芸館の選手が助けに走った。「人のためになることをしなさい、と監督に教えられています。だからピンチでも落ち着けるんです」。岡本は、胸を張った。岡山城東でセンバツ4強入りし、岡山学芸館就任9年目で学校初の夏出場を果たした山崎慶一監督(58)は「孝行息子になってくれました」と選手をたたえた。【堀まどか】

 ◆岡山学芸館 1960年(昭35)創立の私立校。生徒数は1220人(女子529人)。野球部創部は70年で部員数は74人。甲子園出場は春1回で夏は初出場。主なOBは元オリックス柴原実ら。所在地は岡山市東区西大寺上1の19の19。森健太郎校長。

◆Vへの足跡◆

1回戦13-3総社南

2回戦4-2おかやま山陽

3回戦12-0岡山操山

準々決勝10-3水島工

準決勝3-2玉野光南

決勝6-5創志学園