この日の失策は2。高岡商の吉田監督の頭を悩ます守備だが、ここぞで我慢強い。5回。失策と暴投でピンチを広げ、スクイズで追いつかれる。さらに死球。続く打者に三遊間を割られた。だが、左翼手の北田は冷静だ。「富山東は積極的な走塁で次の塁を狙う。隙を見せるのを待っていた」。一塁走者が二塁を大きく回ったのを見逃さず、二塁へ送球。走者を刺し、チェンジ。相手に傾きかけた流れを引き戻した。

 先頭に安打された6回は二盗を阻止。その裏、勝ち越した。「うちは我慢の野球。ミスした後こそ大事」と吉田監督。我慢の先にある喜びを、全員が知っている。(朝日新聞)

 ◆高岡商 1897年(明30)創立の県立校。生徒数720人(うち女子443人)。野球部は23年(大12)創部。部員63人。甲子園は春4度、夏は17度目。主なOBは進藤達哉(DeNAコーチ)ら。所在地は高岡市横田286。石黒進校長。

◆Vへの足跡◆

2回戦11-3魚津

3回戦5-3富山

準々決勝8-5富山商

準決勝6-5新湊

決勝5-2富山東