ある意味、交流戦を象徴する戦いだったのか。阪神打線は9安打を放ちながら2点。対するオリックスも9回まで同じく9安打で2点と、決め手を欠く展開で延長戦に突入した。だが最後は抑えの一員・ドリスが3安打を浴び、サヨナラ負けを喫したのである。

対照的なのは打った顔ぶれか。阪神9安打のうち、森下翔太、佐藤輝明、そして大山悠輔のクリーンアップで5安打。2番・中野拓夢が2安打だ。中盤以降は9番・坂本誠志郎、8番・熊谷敬宥がそれぞれ1安打。対するオリックスは12安打のうち、無安打の打順もあったが全体的に散らばっていた印象だ。

象徴的だったのは延長10回だろう。6番手・吉田輝星を相手にそこまで無安打の嶋村麟士朗に福島圭音、同じく無安打の木浪聖也に立石正広の代打攻勢をかけたが実らず、3者凡退。逆にオリックスは下位打線、8番・横山聖哉がドリスから右前打で出て好機を広げ、最後は3番・山中稜真が決めたのである。

これで指名打者制があるパ・リーグ本拠地では3カードで3勝6敗に。指揮官・藤川球児は「このゲームとはしっかりと切り分けて話させていただくとすれば」と断った上で、自身の見立てをこう話した。

「(打者)9人で仕掛けていく攻撃においては、小技だったり、走力であったり、守備力の汎用(はんよう)性、スイングの強さというものは明らかに必要だろうな、と思っています」

これは阪神だけでなく、セ・リーグ全体で言われる部分だろう。日本ハム、楽天で指揮を執った梨田昌孝(日刊スポーツ評論家)は「9番まで気を抜けない打線と対抗するパ・リーグの投手はレベルが上がる。打者もそれに負けまいとするので全体が向上するんだ」と言ったもの。だからこそ来季からセもDH制を導入するのだろうが。

これで阪神は交流戦で一応6カード16試合を負え、5勝11敗、借金「6」となった。幸いというか巨人、ヤクルトもそれほど勝っていないので首位から陥落したとはいえ、リーグ連覇を狙える位置にいる。

雨で積み残した西武、楽天との2試合をうまく甲子園で勝てれば7勝11敗の借金「4」、通算では貯金「7」でリーグ戦に戻れる。そうは言っても常にパが強いとは限らない。ラストのここは阪神だけでなくセ・リーグの意地を見せ、踏ん張りたい。(敬称略)

オリックス対阪神 10回裏オリックス2死一、三塁、ラファエル・ドリスは山中稜真に左越えサヨナラ適時打を打たれる(撮影・加藤哉)
オリックス対阪神 10回裏オリックス2死一、三塁、ラファエル・ドリスは山中稜真に左越えサヨナラ適時打を打たれる(撮影・加藤哉)