優勝候補の大阪桐蔭(近畿・大阪)が高松商(四国・香川)に惜敗し、12年ぶりの決勝進出を逃した。

 大阪桐蔭のエース高山優希投手(2年)が鬼気迫る快投を見せた。味方打線が1点差に追い上げた直後の9回表に登板。先頭打者の3球目に自己最速を2キロ更新する147キロをマーク。ネット裏のスカウトがスピードガンを構える前で140キロ台後半を連発。前日15日に本塁打を放った大熊達也外野手(2年)を見逃しの3球三振に封じた球は、150キロを計測した。

 2年生左腕では大阪桐蔭・辻内崇伸(元巨人)が04年夏の大阪で151キロをマークも、春夏甲子園ではいない。「あれだけ投げられるとは思わなかった」。本人は我を忘れていた。

 西谷浩一監督(46)は「スイッチが入れば、ああいう投球ができる力はある」と認めた。12年センバツの藤浪(阪神)がそうだった。救援で無死満塁の大ピンチを背負い、3者連続三振。そこから大エースへの道は始まった。高山もチームの危機を救いたい一心で覚醒。この日、来春センバツの最注目投手から来秋ドラフト上位候補に名乗りを上げた。【堀まどか】