2年連続甲子園出場を目指す智弁和歌山が、見事な集中打で逆転発進した。1点を勝ち越された直後の7回2死からスイッチが入った。9番門脇悠起捕手(3年)が左翼越えの二塁打で口火を切ると、次々と快音を響かせた。1番北阪太志内野手(3年)から3番野口春樹外野手(3年)までの3人が右安打を続け、4番高垣鋭次内野手(3年)が左安打を放ち、5者連続安打の猛攻。一気に4点を奪って勝負を決めた。

 3回に1点先制も6回までは3安打。7回表には一時逆転され球場にどよめきが起こったが、強豪校の意地を発揮した。高垣は「チャンスを生かせていなかったので打線がつながってうれしい」と喜んだ。高嶋仁監督(70)も「勝って当たり前というプレッシャーがある。前半はチャンスを作っても点が取れなかった。緊張もあるし体も動いていない」と厳しかった。

 1年生コンビ、林晃汰内野手と文元洸成捕手はスタメンで起用されたが、デビュー戦で力が発揮できなかった。高嶋監督は「次くらいから打ち出すかな」と期待を寄せる。文元は「雰囲気は経験できた。きちんと準備して次は勝利に貢献したい」。2連覇へ新戦力からも目が離せない。【中島万季】