「下北半島から甲子園」をスローガンに快進撃を続けた大湊だったが、甲子園をかけた決勝は八戸学院光星に完敗だった。6四死球に失策が絡んだ3回の8失点が最後まで響いた。工藤公治監督も選手たちも「目に見えない圧力があった」と声をそろえた。

 試合後、工藤監督は「今日も下北半島からたくさん応援に来ていただいて。本当にうれしかった。勇気や感動を熱いゲームで示したかった」と肩を落とした。選手の保護者やファンに「すみませんでした!」と10秒間、深々と頭を下げたが、その男らしさに「よく頑張ったよ!」など温かい声と拍手が飛び交った。

 甲子園に向かう光星ナインに千羽鶴を託し、午後6時過ぎまでの「最後のミーティング」で涙を流した大湊ナイン。工藤監督は「道のりは本当に長いですけれど、諦めたらダメ。また1、2年生と一緒に頑張っていきます」と涙をぬぐい、前を向いた。