4強入り、ゲットだぜ! 東陵が登米に6-1で勝利し、準決勝進出を決めた。「行けたらGO」の積極的な走塁で圧倒。1回には一塁走者・菅原幸治捕手(3年)が二塁打で一気に生還し、流れを呼び込む。6、7回には一塁走者が単打の間に3度も三塁を果敢に奪うなど、好機を演出。得点差を広げた。三塁コーチャー尾梶廉(3年)の指示も効果的だった。

 必殺技の「こうかはばつぐんだ」。走る、走る、走る。1回2死一塁。一塁走者の菅原は左翼線へ打球が落ちるのを見ながら必死に足を動かした。「次の塁を狙う意識は徹底している。足は遅いんですけど、とにかく走りました」と三塁コーチャー尾梶の右腕が回るのを確認。スピードを緩めず三塁を回ると、必死に本塁へと飛び込んだ。試合の流れを決める2点目をゲット。攻める走塁は、話題の「ポケモンGO」ならぬ「東陵GO」だった。

 電光石火の走りだ。6回、先頭の3番小畑拓斗内野手(3年)が四球で出塁するとスキを見逃さない。50メートル6秒4ながら「足を使っていこう」と目標に掲げる主砲。三塁コーチャー尾梶は外野の守備位置が深いことを確認し、次打者菅原の打球が中前で跳ねるとためらわずに腕を回した。「足は速くないけど次の塁に行ける位置。ワンヒットで3つ行かせるのが仕事ですから」と単打で三塁を奪う。6、7回だけで「出塁→単打」で一、三塁を3度作り、全て得点に結びつけた。

 モットーは「行けたらGO」だ。走塁においてほとんどの判断は選手に任せられる。グリーンライトと呼ばれ、投手のクセを見て、盗塁できるならばスタートを切る。理想は出塁後に得点圏に走者を進め、単打で生還する形だが、千葉亮輔監督(45)は「足が止まったら負ける。人が得点になるスポーツですから」ととにかく走る意識が高い。尾梶についても「初回は良く見て回した。接戦をものにできた」と攻めさせる姿勢を評価した。

 菅原は「走りも大事だけど、守り勝ちたい。まずは目の前の試合を1試合ずつ勝っていく」と意気込む。ちなみに東陵内での「ポケモンGO」プレー率はまだわずか。あと2勝と迫った「甲子園GO」を勝ち取るまで、脇目もふらず走り続ける。【島根純】