夏の甲子園を目指す地方大会は31日、全日程が終了。地方大会で敗れ甲子園出場を逃した主なチームや選手は以下の通り。

【北北海道】

 江陵(準決勝敗退) エース古谷優人投手(3年)はプロ注目左腕。7月17日の2回戦で自己最速の154キロをマークし、18日の準々決勝では大会最多記録の20奪三振で完封。準決勝の滝川西戦でも最速150キロをマーク。6安打、12奪三振、5四死球で3失点と粘ったが1-3で敗れた。プロ志望届提出については「監督と相談して決めたい」。

【南北海道】

 札幌大谷(札幌地区Fブロック2回戦敗退) 春の全道覇者がまさかのブロック予選初戦敗退。公立の石狩翔陽に3-4で敗れる波乱。船尾隆広監督(45)は「初回の3点が響いた」と残念そうに話した。

【青森】

 青森山田(4回戦敗退) 昨秋東北大会優勝、センバツ出場も公立の大湊に2-3で敗れ春夏連続出場ならず。

【岩手】

 花巻東(2回戦=初戦敗退) 昨夏代表が盛岡工に1-3で敗れ、15年ぶり初戦敗退。02年の就任以降、初の夏初戦負けを喫した佐々木洋監督(40)は「点を取らせることができなかった。監督の責任です」。

【宮城】

 仙台育英(準決勝敗退) 昨夏甲子園準優勝校。ライバル東北に延長11回3-4でサヨナラ負けし涙。佐々木順一朗監督(56)は「(昨年と)比較された子たちでずっと苦しんできた。重圧とよく闘ってきた」。

【山形】

 酒田南(準決勝敗退) 鶴岡東に5-16でコールド負け。高校通算37本塁打、プロ注目の石垣雅海内野手(3年)は2打数無安打に抑えられた。試合後、今大会4戦3発の打撃について「やってきたことは間違いではなかった」と話し、進路については「監督と相談してプロという形でやっていきたい」。

【埼玉】

 浦和学院(4回戦敗退) 昨秋、今春と県大会を制し優勝候補の一角も市川越に0-1で敗れた。昨年は白岡、一昨年は県川口と、3年連続で公立校に敗れ涙。

【千葉】

 東海大市原望洋(準々決勝敗退) 最速153キロ右腕、島孝明投手(3年)がリリーフで登板も木更津総合に0-1で惜敗。「苦労が多い3年間だったが、楽しいチームでした」と涙。今後の進路は「これから考えます」。

【東東京】

 二松学舎大付(準決勝敗退) プロ注目左腕、大江竜聖投手(3年)が決勝を前に姿を消した。東亜学園戦。5回に5点を失い、6回1死後に降板。投球数145。最速149キロを計測しながら、3度目となる満塁のピンチで崩れた。「疲れはなかった。調子もよかったのに、打たれるのが怖い感覚になった。初めてです」。相手校歌が流れる中、涙が止まらず。

【西東京】

 早実(準々決勝敗退) 清宮フィーバーで昨夏甲子園4強も八王子学園八王子に4-6で競り負け2年連続の甲子園ならず。清宮幸太郎内野手(2年)は3回に右中間二塁打を放ったが、3点を追う9回は1死一、三塁で右翼への大飛球が犠飛に終わり悔し泣き。「最後に自分がつなげられず、3年生の夏を終わらせてしまって申し訳ない。あの打席は絶対に忘れない。甲子園は遠い場所だと、あらためて思いました」。今大会は3本塁打を放ち高校通算53本塁打に伸ばした。新チームでは主将を務め来春センバツ出場を目指す。

【神奈川】

 東海大相模(準々決勝敗退) 昨夏甲子園優勝校。慶応に2-11で8回コールド負け。門馬敬治監督(46)は「粘って、頑張ったと思う。この代はよく我慢した。長い1年が終わりました」。

【山梨】

 東海大甲府(決勝敗退) 県内無敵の絶対的王者が山梨学院に5-12で敗れた。県内連勝は34でストップ。

【福井】

 敦賀気比(2回戦=初戦敗退) 14年夏から今春まで4季連続甲子園出場。昨年春は全国優勝。初戦、公立校の坂井に延長15回、2-4で敗れまさかの初戦敗退。プロ注目のエース山崎颯一郎投手が15回完投も力尽きる。

【京都】

 龍谷大平安(4回戦敗退) 今春センバツ4強。福知山成美に2-3で敗れる。あと1勝に迫っていた甲子園100勝達成は来春以降に持ち越しに。原田英彦監督(56)は「ゲームに負けてしまったのは現実。負けた原因は反省しないといけない。この夏、この子たちと100勝したかった」。

【大阪】

 PL学園(2回戦=初戦敗退) 春夏7度の全国優勝を誇る名門も今夏限りで休部が決定。最後の夏に甲子園をと意気込んだが初戦で強豪の東大阪大柏原に6-7で競り負け涙の終戦。梅田主将は涙ながらに野球部復活を願った。「今日は一生悔いが残る。そして一生胸を張れる試合。悔いが残るのは校歌を歌えなかったこと。胸を張れるのは、このユニホームを着て試合ができたこと。でも甲子園に行きたかった。この先どうなるかはわかりませんが、帰る場所を作っていただきたいです」。

 大阪桐蔭(3回戦敗退) 昨秋近畿大会優勝、今春センバツ出場。関大北陽に1-2で敗れ春夏連続甲子園出場を逃す。3回戦敗退は6年ぶり。最速150キロ左腕の高山は「ここまで投げられたので、後悔はありません。でもチームの目標は優勝だった。なのにここで負けてしまったことには後悔があります。プロ野球に入って、これまでの経験を生かして上の世界でもしっかりやっていきたい」。

【兵庫】

 明石商(決勝敗退) センバツ8強。春季県大会優勝、同近畿大会4強。決勝で市尼崎に2-3で競り負け春夏連続甲子園ならず。夏は2年連続の準優勝に終わった。

【香川】

 高松商(決勝敗退) センバツ準優勝校。決勝で尽誠学園に1-5で敗れ春夏連続出場を逃す。決勝までの4試合で45得点、すべてコールド勝ちで見せた打線が、相手左腕渡辺に5安打に抑えられた。20年ぶり20度目の出場がかなわず、長尾監督は「足りないところがあったからの結果」。

【福岡】

 九州産(3回戦敗退) プロ注目の154キロ右腕、梅野雄吾投手(3年)の最後の夏が3回戦で終わる。福島に4-6で敗れた。15日の初戦浮羽究真館に先発した梅野は、この日は5番手で登板。追い上げの本塁打も放ったが、あと2点届かず。「目標は甲子園だけ」と話していたが、夢を実現することはできなかった。

福岡大大濠(2回戦=初戦) 今春九州大会王者が初戦敗退。強敵・福岡第一に3-6で敗れた。プロ注目のエース右腕、浜地真澄投手(3年)が6失点(自責2)。89年以来、27年ぶり4度目の甲子園出場はならず「(8回は)踏ん張らないといけないところ。未熟だった。もう1段階ギアを上げられなかった。あっちのほうが強かったということ」と、悔し涙。

【宮崎】

 都城(3回戦敗退) プロ注目、最速151キロ右腕の山本由伸投手(3年)を擁し17年ぶりの甲子園を狙ったが3回戦で宮崎商に0-2で敗れた。それでも2回戦の延岡学園戦では149キロ直球と高速スプリットなど多彩な変化球を織り交ぜ11奪三振。詰めかけたプロ12球団20人の評価を上げた。

【沖縄】

 興南(3回戦敗退) 昨夏甲子園8強。甲子園出場を決めた嘉手納に1-2で敗れた。序盤、雨で47分間試合が中断する中、昨夏からエースの比屋根雅也(3年)が8回まで無失点投球を続けたが、9回に味方の失策の後、2安打を許し、2失点で力尽きた。