決勝戦は史上初の「大阪対決」だ。春夏通じて初優勝を狙う履正社(大阪)と、12年以来2度目の頂点を目指す大阪桐蔭が決勝に勝ち進んだ。履正社は1点を追う9回にスクイズで追い付き、4番の若林将平外野手(3年)が勝ち越し打を放った。安田尚憲内野手(3年)の高校通算50号先制アーチも飛び出て、報徳学園(兵庫)に6-4で逆転勝ち。3年ぶりに決勝へ進出した。

 試合の始まりは安田の豪快なアーチだった。1回、真ん中に入ったストレートを振り抜くと、打球は鋭く弧を描き右翼席へ。力強いガッツポーズでベースを回った。「子どものころから憧れていた舞台で1本打てて本当に良かった」。通算50号を聖地で決めたのは、試合開始から5分余りの出来事だった。

 勢いよくスタートを切ったが、苦しい時間が続いた。2回に1点を追加し、3回に追いつかれた。好機を作れず、6回には勝ち越された。1点を追った9回。代打白滝の二塁打から同点に追いつき、1死一、二塁で3番安田が四球。満塁で4番若林が決勝の適時打を放った。安田は「3、4番でかえすのがこのチームのスタイル。4番でキャプテンでプレッシャーが多いと思うけど決めてくれると思っていた」と信頼を口にした。