安田には小さいころからお手本がいた。兄亮太さん(29)は現在、三菱重工名古屋硬式野球部の主将。常に先のステージでプレーする12歳上の兄を追ってきた。亮太さんから「野球をやるにしても英語が必要や」と聞けば英語を必死に勉強もした。ただ高校の進路選択だけは違った。兄からは他の学校をすすめられたが「練習も自主性を重んじる。上のレベルで(野球を)やるならこういうとこでやっていかないと」と自分の意思で履正社を選んだ。

 決勝の相手は同じ大阪の強豪・大阪桐蔭に決まった。昨秋の大阪大会準決勝で倒した相手に「これまでもずっと戦ってきた相手。早く戦いたい」と闘争心がうずく。「みんなで優勝だけを目指してこの冬やってきた」。テレビで見て憧れた14年のセンバツ準優勝を超えて、履正社の歴史をつくる。

 ◆神宮大会優勝校の決勝進出 昨秋の明治神宮大会を制した履正社が決勝へ。神宮王者の決勝進出は昨年の高松商に次いで7校目。84年岩倉、98年横浜、02年報徳学園に次ぐ「秋春連覇」を狙う。