大谷が4番手で登板した山本迅投手(2年)の投打にわたる活躍で、延長戦を制し、3回戦に駒を進めた。

 大谷は、河村太暉(たいき)外野手(3年)のソロ本塁打などで4回までに2点をリードするも、6回に追いつかれ、延長戦へ突入した。

 11回1死一、三塁、打席には、8番山本。前の打者が敬遠されたが「自分が打てなくても、次の回を抑えて、その裏でサヨナラすればいい」と気負いなくバットを構え、外の直球を右にはじき返した。「ライトライナーで取られる。アカンな」と思った打球は、突っ込んだ右翼手のグラブを弾き、人生初のサヨナラ打となった。

 練習試合で登板したことはあるが、公式戦はこの日が初めて。9回無死一、三塁でマウンドに上がると、「めっちゃ緊張したけど、逆に開き直った」と3イニングを1安打で抑えた。

 ギリギリでメンバー入りしたラッキーボーイだ。「実は開会式の前日まで迷っていたんです」と足立兼敏監督(69)。山本が昨夏、肩を負傷し、3月末まで投球練習ができなかったこともあり、当初はメンバー内の投手を5人にしようと考えていた。だが「球が速くて、けん制がうまい」と選手登録直前にメンバーに滑り込んだ。

 次戦は16日の西乙訓との3回戦。山本は「先輩たちと少しでも長く一緒にやりたい。あと、ホームランを打ってみたい」と意気込んだ。【中島万季】