鮮明に覚えているシーンがある。1年秋から4番を任され、その冬場の練習だった。発熱して体調が上がらない上林は、しんどさを感じながら練習に取り組んでいた。その姿を見た佐々木監督から上林は叱られた。
上林 体調が悪いまま室内で練習していたら、案の定ばれて。先生から「お前どうしたんだ、エースと4番はチームに心配をかけちゃいけないんだ、どんなことがあっても平然としてないといけないんだ」と言われた。3年間で怒られたことがめったになくて、最初は怒られるのが嫌いだったけど、なるほどと思うことが多かった。途中からは怒られたい、もっと話を聞きたいなと思った。
2年秋の新チームからは選手間投票で主将に就任した。秋の明治神宮大会で優勝し日本一になると、3年春のセンバツではワンバウンドの球を二塁打して全国的にも有名に。最後の夏はセンバツ覇者浦和学院(埼玉)を撃破した。
上林 自分からは望んでなかったけど、多数決で選ばれた。主将は難しかったですね。部員が100何人もいる中で。常にお手本にならないといけないと思っていた。学校生活でも悪いことをした覚えはない。自分の行動に責任を持ってやってきた。
宮城県のみならず、全国の高校球児にエールを送って締めくくった。
上林 先生から言われたのは「いいオヤジになろう」。いいオヤジになって先生と対等にしゃべろうってことです。野球をやっていれば、いろんなことを学べる。みんな、いい人間になって欲しい。
◆上林誠知(うえばやし・せいじ)1995年(平7)8月1日、さいたま市生まれ。小1から野球を始める。土合中では浦和シニアで3年春に全国制覇。仙台育英では1年秋から4番。2年夏から3季連続甲子園出場。13年ドラフト4位でソフトバンクに入団。1年目は内野手に挑戦し、2年目から本職の外野。右投げ左打ち。185センチ、81キロ。


