第99回全国高校野球選手権宮城大会が14日から開幕する。ソフトバンク上林誠知外野手(21)は仙台育英出身。在学中は3度の甲子園に出場した。濃密に過ごした高校3年間を糧に、プロ4年目にして今季は初のオールスターに選出された。上林が高校時代を振り返り、高校球児にエールを送った。【取材・構成=高橋洋平】

 プロ4年目の上林は開幕スタメンの座をつかむと、3戦目には本塁打を放ち定位置を確保した。勢いそのまま、オールスターにファン投票で初選出された。

 上林 たまたまオールスター前の時期に活躍して、ファンの方々に覚えてもらって選んでもらったのが大きい。まずプロに入団してホークスの1軍にいることも想像できなかった。まして試合に出ていることは想像できない。現状にビックリしている。

 飛躍を誓った昨年は苦しんだ。1軍の試合出場はわずか14試合。シーズンのほとんどを2軍で暮らした。

 上林 昨年の悔しさというか。1年間いい状態がなくて苦しんだ分、今年にかける思いは誰よりも強かった。

 苦境に陥った上林を支えたのは、恩師である仙台育英の佐々木順一朗監督(57)から授かった言葉だった。

 上林 座右の銘は「運命を愛し、希望に生きる」。その言葉を胸にやっている。去年のようなことがあっても、自分にとって必要なことだと思えた。今までになかった大人の考えを身につけさせてくれたのが先生(佐々木監督)でした。今でも去年の1年間は、自分にとって必要なものだと思っている。去年だけじゃなくても、目の前に起きているいろいろなことは自分に必要なことだと今は考えられる。

 仙台育英では、佐々木監督から技術以上に考え方を学んだ。

 上林 仙台育英での3年間が、自分の野球人生のベースになっていると思っている。特に考え方が変わった。野球人生で一番成長した。先生はすごく頭のいい人で。言うことが深くて、すべて納得させられるようなことを言っていた。3年間で言われ続けてきたことを、今もどこか頭の中で覚えている。