公立の大冠(大阪)が、今春の近畿大会準Vの東海大仰星を破る金星を挙げた。2点を追う8回に鍛えられた打線が爆発し、一挙6点を奪って逆転した。5番の主将、猪原隆雅捕手(3年)の左適時打などで追いついて、なおも無死満塁。6番寒川勇海(さむかわ・いさみ)外野手(3年)が打ち返した打球は、右前への勝ち越し2点タイムリーとなった。寒川は「打倒私学でやってきたから、うれしい」と声を弾ませた。

 大阪桐蔭などの強豪私学に勝つために、平日は1日1000回、休日は2000回バットを振り、打撃を鍛えてきた。冬休みは1日3000回だ。「まだ振らすんかと思ったけど、やっているうちに打球が変化していった」と猪原主将。4月の練習試合では、センバツ準優勝の履正社に11-9で打ち勝った。東山宏司監督(55)は「バットを振ってきたことが結果として出た」と満足顔だ。目標は2年前の4強以上。府立高校が台風の目となる。【中島万季】

 ◆大冠(おおかんむり)1986年(昭61)島上高校大冠校として創立した府立校。95年から現校名で独立校化。普通科のみで、生徒数は1067人(女子470人)。野球部は86年創部、部員は106人。池田佳隆校長。主な卒業生はお笑いコンビ「シャンプーハット」のこいで。