ノーシード山形中央は、第2シードの羽黒に6-2と逆転勝ちした。

 続けてミスをしない山形中央が、また優勝候補を食った。3連覇を狙った鶴岡東を破った翌日は、春の県大会準優勝の第2シード羽黒を、2点を追う6回に逆転した。庄司秀幸監督(41)は「昨日すべてを出し切って、今日は羽黒さん。勝てるとは思っていなかった」と“想定外”に驚いた。

 想定内はミスだ。だが負の連鎖は起こらない。失策をした選手に、近くにいる選手が声をかける。「想定内」「だよね」。主将の大泉周也外野手(3年)は「合言葉です。次にやるべきことを考えるんです」と言った。昨年の鶴岡東との決勝は計5失策が響いて、延長で敗れた。あと1歩で甲子園を逃した。その悔しさと反省を現チームは生かす。ミスを連発しないという、強い意識がある。

 3回に失策絡みで先制を許したが、最少失点でしのいだ。終盤にも2つのエラーが出た。7回は投手が踏ん張り、8回は併殺と内野手がもり立てた。庄司監督は「会話ができるメンバー」と言い、大泉主将は「春が終わってからミスが続くことがなくなった」と胸を張った。6回の逆転はけん制球の落球、失策や暴投に乗じた。ミスを多発した羽黒とは対照的だった。

 春夏合わせて4度、甲子園に導いた庄司監督は「集中力は歴代の中で一番」と高く評価する。どのチームでも起こり得るミスを最低限にして、ノーシードから準決勝まで勝ち上がった。周囲の期待はもう想定内? として高まり始めた。「優勝だよね」「甲子園だよね」。【久野朗】