秋田ではノーシードの金足農が7-1で第3シード秋田修英を下し、4年ぶりの準決勝進出を決めた。

 金足農が10年ぶり6度目の夏甲子園出場まで2勝に迫った。5犠打を絡めて好機をものにした中泉一豊監督(44)は「(走者を)スコアリングポジションに置いて、(打球を)転がせば何が起こるか分からない。練習通りにできたかな」と序盤の連続得点を評価した。

 投打で2年生が活躍した。先発の吉田輝星投手は、公式戦初完封こそ逃したものの、8回まで散発2安打と好投した。「(完封を)意識していたのでちょっと悔しい。少し力んで体が開いてしまった」と、9回の3四死球を含む8四死球を反省した。

 打線は計14安打で相手サブマリン・エースを攻略した。1回表2死一、三塁。この日17歳の誕生日を迎えた5番打川和輝内野手が左翼前に適時打を放ち、攻撃の口火を切った。「(打ったのは)インコース高めの真っすぐ。(4打席目に)二塁打も打って点になったので、いい誕生日になりました」と目を細めた。

 チームは84年夏甲子園4強の伝統を背負う。準決勝で桑田、清原を擁するPL学園と2-3の接戦を演じ、その戦いは今でも語り継がれている。吉田や打川ら選手たちもパソコン動画で見て甲子園への夢をかきたてている。チームは開会式後から母校で合宿中だ。吉田は「コースを突いて打たせて取りたい」と準決勝の秋田戦に意欲。打川は「決勝で勝ってから」と誕生祝いを先送りした。【佐々木雄高】