波佐見(長崎)が01年以来の夏の甲子園出場へ王手をかけた。瓊浦を9-2の7回コールドで撃破。中3で全国制覇の経験がある最速139キロ右腕、エース村川竜也投手(3年)が今夏2戦目の先発で投打に活躍した。

 コールド勝ちを目前にした7回2死二塁。あと1人となって「(大量点で)気が緩み球が浮いた」と、代打の7番打者に2ランを浴びた。だが手綱を締め直し最後は右飛で締めた。7回92球を投げ5安打7奪三振。2失点を「今日は80点」と反省したが「低めの意識で制球良く投げられた」と好投した。

 「1回から変化球がしっかり低めに決められた」。特に好不調のバロメーターという、自慢のスライダーにキレがあり波に乗った。得永健監督(48)は「初球が低く入り、1回の投球を見てこのまま投げてもらおうと思った」という。元々立ち上がりに不安を抱えるが、指揮官も「抜群だった。こんな村川見たことがない」と話すほどだった。

 好リズムは打撃にもつながった。2-0で迎えた2回だった。1死からの初球。「積極的にいった」と直球を強振だ。「ビックリした」と驚く左越えの公式戦初本塁打も飛び出した。3回も2死一、二塁から三塁内野安打で満塁機を演出するなど3打数2安打1打点と暴れた。

 今日23日の決勝は清峰と対戦。得永監督が「よく覚えていますよ」という06年の決勝で完封負けした相手だ。村川は「バックを信じ思いきり投げるだけ」。リベンジVに燃えている。【菊川光一】

 ◆村川竜也(むらかわ・たつや)1999年(平11)11月2日生まれ、長崎県波佐見町出身。野球は小4から軟式の波佐見パイレーツで始める。波佐見中野球部に所属。3年時、全国大会に春夏出場し夏にエースで優勝。波佐見では1年秋からベンチ入りし、今春からエース。あこがれはスライダーのキレを参考にする楽天則本。173センチ、70キロ。右投げ右打ち。