明徳義塾(高知)は中盤以降、初出場を目指す檮原(ゆすはら)の激しい追い上げにあった。7回、3点差に迫られ、なお1死満塁。馬淵監督はエース北本から背番号11の2年生市川への継投を決断した。「ボールに切れのある市川にまかせた」という監督の思いに、右腕は「直球で押していこう」と強気の投球で応える。三振と遊ゴロで後続を断つと、無失点で試合を締めた。今春のセンバツでは早実に9回に追いつかれて逆転負け。信頼できる投手が北本しかおらず、続投せざるをえなかった。「投げさせてもらえなくて悔しかった」という最速141キロの市川が制球力を上げ、北本との2本柱に成長した。8年連続の夏。市川は「いつでも準備しています」と頼もしい。(朝日新聞)

 ◆明徳義塾 1976年(昭51)創立の私立校。生徒数855人(女子229人)。野球部も76年に創部で、部員数は134人。甲子園出場は春17度、夏19度目で、02年夏に全国制覇。主なOBはヤクルト森岡良介、プロゴルファーの松山英樹、横峯さくら。所在地は須崎市浦ノ内下中山160。吉田圭一校長。

◆Vへの足跡◆

2回戦10-4高知商

準々決勝7-0高知南

準決勝2-0岡豊

決勝7-3檮原