2連覇を狙う横浜(神奈川)は、ドラフト候補の増田珠外野手(3年)が2打席連続本塁打。今日29日の決勝は、全国制覇した15年以来のVを目指す東海大相模と対決する。

 横浜スタジアムの歓声と熱気が、横浜・増田を乗せた。1点リードの7回。外寄りのチェンジアップに反応した。「1点がほしいところだったので思い切り振った。右中間へガーンと引っ張るイメージで。まさか行くとは思わなかった」。泳がされながらも、右手で押し込んだ打球はもうひと伸び。右中間スタンドの最深部に着弾した。

 7球団のスカウトが集結する中、続く9回には内角直球を引っ張り、左翼ポール際の中段へ運んだ。「内角が来ると思って狙っていた」。3戦連発は東海大相模・大田泰示(日本ハム)らと並ぶ大会個人タイ記録。「相性がいい」と話すハマスタでは7発目、高校通算31、32号を固め打ちした。6回1死二塁では中堅の頭を越えそうな打球を好捕。抜けていれば再び同点だっただけに「心臓が止まりそうになった」と笑った。

 4番が攻守で引っ張ると、2番山崎拳登内野手(2年)は負けじと3打席連続二塁打で貢献。救援した万波中正外野手(2年)ら5投手で桐光学園の強力打線を6安打に抑えた。増田は試合後、SNSで連絡を取り合う早実・清宮が、107発目を打ったことを伝え聞いた。「おめでとう、と伝えます。甲子園で対戦したい。明日はチームの勝利を決める1本を打ちます」。2年連続の甲子園まであと1勝だ。【和田美保】