済美(愛媛)が1回に失策絡みで1点を先取された。嫌なムードで、中矢監督は「よし、打ち勝つしかないと試合の方向性を決めた」と振り返る。その裏、5番吉岡の左翼線への適時二塁打で追いつくと、2回は2番宇都宮が右越えの2点二塁打を放ち勝ち越し。その後も加点し、20安打10得点と圧倒した。

 チームの原点は2-10で大敗した昨秋の四国大会準決勝、明徳義塾(高知)戦。打ち合いに持ち込めなかった反省から、通常より約200グラム重い1・1キロのバットで打ち込み、スイングスピードを上げた。今は「3、4点取られても5点以上取り返す」と吉岡。主将の八塚は「明徳とは甲子園で絶対にやりたい」と闘志を燃やした。

 ◆済美 1901年(明34)に松山裁縫伝習所として創設された私立校。1948年(昭23)から済美となり、2002年(平14)に女子校から共学に移行。生徒数は1567人(女子976人)。野球部は02年創部で部員数は47人。甲子園出場は春2度、夏は5度目。04年春に優勝1回。主なOBはヤクルト鵜久森淳志、広島福井優也ら。所在地は松山市湊町7の9の1。末広久行校長。

◆Vへの足跡

2回戦8-5新田

3回戦8-4松山中央

準々決勝7-0大洲

準決勝5-2松山聖陵

決勝10-3帝京五