2日がかり、計19イニングを超す熱闘を制し、おかやま山陽(岡山)が春夏通じて初の甲子園出場を決めた。前日28日は8-8で迎えた延長11回表1死で降雨コールド。創志学園と再試合を行った。前日も先発して5回5安打5失点だった背番号10の大江海成投手(3年)が、8回までノーヒットノーランの快投で初優勝に導いた。

 伸び盛りの右腕は、これまで140キロだった最速を143キロに更新。コーナーを巧みに突いて、4四球を与えても三塁を踏ませなかった。27日の準決勝から3日連続の登板となったが「疲れはなかった」という。しかし、9回を前に「両足と左手がつり、これ以上投げたらダメだと思った」と降板。9回を2年生の有本雄大投手に託した。

 有本が相手の反撃を2点に抑え、マウンド上に歓喜の輪ができた。大江は「100点のピッチングです。意識したら打たれるので、ノーヒットは意識せず丁寧に投げることだけを考えました」と笑顔。堤尚彦監督(46)は「変化球をうまく使ってヒットを打たれないのがよかった。今日は腹のすわりがいい大江でいこうと思った」と好投をたたえた。

 ◆おかやま山陽 1924年(大13)に岡山県生石高等女学校として設立。02年から現校名。生徒数は1090人(女子474人)。野球部は49年創部で、部員数は97人(女子マネジャー7人)。甲子園出場は春夏通じて初。主なOBは広島藤井皓哉。所在地は浅口市鴨方町六条院中2069。原田一成校長。

◆Vへの足跡◆

1回戦11-1岡山南

2回戦10-2林野

3回戦7-0玉野光南

準々決勝10-2岡山学芸館

準決勝4-1興譲館

決勝8-8創志学園

  9-2創志学園