三本松(香川)が1910年(明43)の創部以来、初めて甲子園で勝利をあげた。初回、先頭の大久保祥吾外野手(2年)が右翼への三塁打で出塁し、2番多田祐汰内野手(3年)の遊ゴロの間に生還。2回に渡辺裕貴捕手(3年)がソロ本塁打を放つなどで加点し、9-4で下関国際(山口)を振り切った。

 創部108年目の勝利に日下広太監督(33)は「長い歴史の中に名を刻めて本当にうれしい」と感無量の様子だった。夏の甲子園の前身である「全国中等学校優勝野球大会」の第1回に、四国大会だったが大川中として出場。脈々と受け継がれた部の歴史に輝く1勝を加えた。

 日下監督はBC石川と新潟でプレー経験があり、NPBを経ず独立リーグを経験した初めての甲子園監督となった。新チーム発足とともに日下監督が掲げたスローガン「ULTIMATE CRUSH」は「相手を徹底的にたたきのめす」という意味。清宮克幸氏(50)が早大ラグビー部監督時代に掲げたものを拝借した。「優しい子が多いので、スローガンだけでも荒っぽく」と笑ったが、言葉どおり攻める手を弱めなかった。

 先発して9回6安打4失点の粘りの投球を見せた佐藤圭悟投手(3年)は「三高(三本松)の歴史に名を刻めました」。6月の早実(西東京)との招待試合で、清宮幸太郎内野手(3年)率いる強力打線を抑え、2-0で完封勝利をあげて自信をつけていた。メンバーは全員香川県出身。地元のパワーを結集して勝利をつかみとった。