今大会NO・1捕手として注目される広陵(広島)のドラフト1位候補、中村奨成(しょうせい=3年)が、85年に清原和博(PL学園)が記録した1大会最多の5本塁打を抜いた。

 準決勝の天理(奈良)戦の1回表の第1打席、1死二塁で初球を叩きバックスクリーンへ2ランを放った。第3打席の5回表、先頭打者で中越えソロ本塁打を放ち、この日2本目。1大会6本塁打となり、ついに大会新記録をマークした。試合前は新記録について「あまり考えてない」と話していたが、無欲で快挙を達成した。

 中村は1回戦の中京大中京(愛知)戦の第3打席で右越えソロ、第5打席に右越え2ラン。2回戦の秀岳館(熊本)戦の第5打席に左越え3ラン。3回戦の聖光学園(福島)戦の第5打席で左越え2ランを放っていた。4試合連続本塁打が期待された準々決勝の仙台育英(宮城)戦は本塁打こそ出なかったが、準々決勝までの4試合で18打数12安打10打点と当たりにあたっていた。なお、3試合連続本塁打は中村含めてこれまで8人いる。

 ◆中村奨成(なかむら・しょうせい)1999年(平11)6月6日生まれ、広島県出身。大野東小1年から野球を始め、3年から捕手になる。中学は「大野シニア」に所属し、3年に県8強入り。広陵では1年春の県大会で背番号20ながらレギュラーを任され、1年夏から背番号2。50メートル6秒0。遠投120メートル。181センチ、78キロ。右投げ右打ち。