清宮幸太郎内野手(3年=早実)が主将として引っ張る日本が、オーストラリアとのスーパーラウンド初戦に臨み、延長11回、4-3でサヨナラ勝ちを収めた。無死一、二塁から始まるタイブレークとなる延長で、11回1死満塁、安田尚憲内野手(3年=履正社)が決勝の中前打を放った。同ラウンドは、1次ラウンドから持ち越しの1勝1敗スタートのため、日本は2勝1敗となった。

 清宮は打てなかった。相手のレベルも上がったスーパーラウンドの初戦。「自分たちの持てる力を発揮して、しっかり相手を攻略したい」と話していたが、簡単にはいかない。3打数無安打2四球。試合はタイブレークに突入した。大苦戦だった。だが、延長11回、安田の中前打でのサヨナラ勝ちに、ネクストバッターズサークルで満面の笑みを浮かべた。

 今春の関東大会2回戦、花咲徳栄戦でタイブレークを経験した。「守ってて緊張する」と言いながら、その試合を勝った。今大会直前の大学生との練習試合後にもタイブレークを想定した練習を積んだ。準備は万全だった。

 1次ラウンドの南アフリカ戦で高校通算110号となる大会1号を放った。調子を取り戻したようにも見えた。「4番としても主将としても、頼ってくれる存在になりたい。自信を持っていきたい。期待というか、応援してくれればうれしいです」と決意を持ってこの試合に臨んでいた。この日は頼れる4番にはなれなかったが、主将として、声を張り上げ、手をたたき、チームを鼓舞した。

 カナダにいても早実の友人たちとのやりとりが活力だ。早実では夏休みが終わり、授業が始まった。「(友人からのメールが)いっぱい来ます。みんなテストで、自分は受けていないので受けろよ、とか。カナダから応援しています、と返しました(笑い)」。たわいもない話から、パワーをもらった。テスト勉強に奮闘する友人たちに、いい知らせを届けたかった。

 米国戦での敗戦を「そこでスイッチが入って戦う姿勢になった」とプラスに捉えた。その1敗のハンディキャップをはね返し、決勝進出を狙う。【久保賢吾】

 ◆日本・清宮のコメント 安田だったんで打ってくれると思った。チームが1つになった。今までで一番楽しい試合だった。負ける気はしなかった。次につながる試合だと思う。

 ◆タイブレーク 試合の早期決着を目指し、延長戦で人為的に走者を置く特別ルール。今大会は延長10回から採用。打順は継続し、無死一、二塁から始める。