来春センバツから試合の早期決着を促すタイブレーク方式が導入されることになった。19日、日本高野連は大阪市内で来春の第90回選抜高校野球大会の運営委員会を開き、1回戦から準決勝まで、延長13回から試合が決着するまでの間タイブレークを行うことを決めた。決勝での導入は今後検討していく。

 日本高野連の竹中雅彦事務局長は「選手の体調面などを考えると、タイブレークを導入する時期に来ている。今がその時期かなと思っている」と説明。運営委員会の前に行われた理事会で、高校野球特別規則にあったセンバツ、夏の甲子園と各地方大会では、タイブレーク制度を採用しないという文言を削除した。

 現在検討中だが「無死一、二塁から」の運用が濃厚。試合のつながりを重視し、どこから始めるかを選べる「選択打順制」ではなく、「継続打順制」で行われる可能性が高い。決勝での導入について竹中事務局長は「私案ですが、決勝は最後ですので再試合でいいんじゃないか」と話し、それらを含む詳細を11月末の理事会で決定する。

 また夏の甲子園、各地方大会については今後協議し、11月以降の大会運営委員会で決める。竹中事務局長は「センバツと選手権は同じルールでやるのが当然だと思っています。選手権は導入の方向だと思います」と話した。各地方大会についても議論を重ねていく。

 ◆延長13回以上の試合 高校野球全国大会通算5610試合(春2264試合、夏3346試合)のうち、延長13回以降に進んだのは123試合。全体の2・2%となり、97・8%は12回までに終わっている。最近10年(08~17年)に限れば13回以上は808試合中10試合(1・2%)。

 ◆タイブレーク 野球やソフトボールで試合の早期決着を目指し、延長戦で人為的に走者を置く特別ルール。社会人では都市対抗で03年から、全日本大学選手権は11年から、高校軟式は全国選手権で15年から採用。今年3月のWBCでは11回以降、9月のU18W杯では10回以降に実施した。