高校の部で4年ぶり5度目出場の駒大苫小牧は、大阪桐蔭に2-4で敗れ12年ぶりの勝利はならなかった。0-0の3回1死満塁から2失策で3失点。打線が5回に3安打を集め2点を奪ったが及ばなかった。エース右腕、大西海翔(2年)を中心に優勝候補と接戦を演じた経験を糧に、出場を確実にしている来春のセンバツ甲子園に向け再出発する。

 ミスが重くのしかかった。0-0の3回1死満塁。内野陣は前進守備を敷いた。真正面の平凡な二塁ゴロをさばいた主将の大槻龍城二塁手(2年)が、併殺を狙い二塁に送球した。遊撃手のカバーが間に合わず、走者2人の生還を許した。続く1死一、二塁。舞原陽和一塁手(2年)が一塁ゴロを二塁へ悪送球し、さらに1点を献上した。序盤の3失点が最後まで響いた。

 大槻は「本塁に投げていれば…。判断ミスでした。先制されて気持ちが焦ってしまった」と肩を落とした。佐々木孝介監督(30)は「(前進守備は)いつもと違った隊形で連係が取れなかった」。さらに計7三振と後手に回った打線に「隙はあったが、仕掛ける間もなかった。ロボットみたいで、何もできなかった選手もいる」と辛口評価。来春へ多くの課題を残した。

 収穫もあった。エース大西が8安打4失点(自責2)で、最後までマウンドを守った。125キロ前後の直球に緩いカーブとチェンジアップを織り交ぜ、強力打線をかわした。主軸の3人に対して1安打のみ。横綱相手に大量失点を許さなかった。「スピードがなくても、コーナーを突けば簡単に打たれない。真ん中に入った失投は打たれたが冬の間で精度を上げたい」。球速よりも制球重視のスタイルに手応えをつかんだ。

 大阪桐蔭は今春センバツVメンバー7人をそろえる。佐々木監督は「同じく日本一を目指してやっている。勝ったとしても金星だと思ってない」と語気を強くする。前回出場の4年前は初戦で沖縄尚学に3-5で敗れ、翌年のセンバツ1勝の糧にした。「冬は規格外の練習をします。今までの倍以上やる。モチベーションと悔しさがマッチして良い冬を過ごせる」。神宮の経験を、甲子園につなげる。【西塚祐司】