静高が神宮で初めて勝った! 2年連続4度目出場の静岡(東海地区)が、6-4で日本航空石川(北信越地区)を退け、大会初勝利を飾った。

 昨年大会を経験した1番村松開人内野手(2年)と成瀬和人内野手(2年)が、ともに3安打。エース春翔一朗投手(2年)が、12安打を浴びながらも完投し、全国4強入りに貢献した。今日の準決勝は、明徳義塾(四国地区)と対戦する。

 創部1896年(明29)。静高野球史にまた1つ、記念すべき勝利が刻まれた。9回裏、エース春が最後の打者を右飛に仕留めてゲームセット。ベンチから笑顔で選手が飛び出し、神宮大会初勝利の喜びを分かち合った。三塁側スタンドの大部分を埋めた静高応援席からも、この日一番の拍手と歓声が上がった。

 村松は、東海大会準決勝、決勝での連続4安打に続いての3安打。頼れる1番打者は誇らしげな表情で言った。「(先発)2年目で、今年は自分が引っ張っていこうと思っていました。チームに勢いをつけられて良かったです」。1年だった昨年大会初戦は、清宮幸太郎内野手(3年)擁する早実(東京)と対した。文字通り、アウェー状態だったが、2度目の神宮球場は違っていた。「(静高の応援が)すごく聞こえて、力になりました」。

 東海大会では3試合で9打数1安打と苦しんだ成瀬も、3安打3打点と活躍した。「体が前に突っ込むことが多かったのですが、コースに逆らわずに打てたことが結果につながったと思います」。3安打はすべてセンターから右方向で、「(栗林俊輔)監督や(小田義人)コーチが、ずっとマンツーマンで指導してくれて、感謝の気持ちでいっぱいです」と話した。

 好調の2人を軸に打線がつながった。6回まで毎回の11安打を放って6得点。9回は3点を返されたが、強打の日本航空石川を終始リードし、指揮官も戦いぶりを評価した。「春がうまく投げてくれたし、村松、成瀬の2人の経験が、初回の2点にもつながったと思います」。

 全国4強。準決勝は、全国に名がとどろく強豪の明徳義塾が相手だ。それでも村松は気負わず、「明日も、自分たちらしく粘り強く戦っていきたいです」と言葉に力を込めた。【鈴木正章】