早慶法のハイブリッド遊撃手が、慶応(神奈川)打線を甲子園でもけん引する。1番の宮尾将内野手(2年)は吉報に「ずっと甲子園に行くための練習をしてきた。夏も秋も甲子園にあと1歩という経験をしたことが生きた。先輩たちのおかげです」と喜んだ。ベンチ入りした1年夏は決勝で敗れ、1番を打った1年秋は関東大会準々決勝で敗戦。悔しさを晴らした。

 小学1年で野球を始めたきっかけは、早大で94年春にベストナイン二塁手に輝いた父毅さん(45)の影響だ。「土台をつくってくれた」父と一緒に早慶戦を観戦し「ここに出たい」と決意した。武蔵府中リトルで世界一となり、法政二中に進学。武蔵府中シニアでU15日本代表になると、勉強面でも9教科の5段階評定が41という頭脳に成長。慶応への進学を決めた。

 U15で同僚だった小園海斗内野手(報徳学園)らは、一足先に甲子園で活躍している。「追いついてやろうと気持ちある。今回出るのは自分だけ。みんなの分も頑張る」とU18での再会を狙う。森林貴彦監督(44)が「大学どころか社会人でもやれる素質。春夏の甲子園でブレークさせたい」という50メートル6秒0、高校通算14本塁打の逸材。小、中学に続き、高校でも全国デビューする。【斎藤直樹】