2年連続4度目出場の東海大静岡翔洋(静岡2位)が、大会初勝利を挙げた。誉(愛知1位)に6-5。3点を先制され、逆転し、追いつかれた展開で、代打の桑原竜成左翼手(3年)が決勝打を放った。準決勝は今日19日、愛知・小牧市民球場で行われる。

 東海大静岡翔洋は、激戦を制した。5-5で迎えた8回裏1死三塁、代打の桑原が低めに落ちるスライダーに食らいついた。遊ゴロの間に走者が生還し、決勝のホームを踏んだ。「とにかく転がそうと思っていました。勝ててうれしいです」。桑原を打席に送った原俊介監督(40)も歓喜した。「最高の集中力を見せてくれました。値千金の内野ゴロです」。

 チャンスを作り出したのは、チーム一の俊足、二瓶洋輔外野手(3年)だった。ベンチで控える間に、相手バッテリーの特徴をつかんでいた。8回裏、先頭打者が死球で出塁すると、代走で起用された。すかさず次打者の初球で盗塁を決め、守備が乱れる間に三塁へ進んだ。そして、桑原の打球を生かして胸を張った。「緊迫した場面で、ホームにかえるのが仕事ですから」。現在は、足のスペシャリストとしてベンチ入りしているが、夏に向けて打力アップを誓った。「状況に合わせた打撃を磨き、スタメンを目指します」。

 4回の2点適時二塁打を含め、3安打を放った主将の田根聡太三塁手(3年)は試合を振り返り、手応えを口にした。「勝利への執着心を出せました。接戦をものにできたことは、チームにとってプラスになります」。

 今日の準決勝は、いなべ総合(三重2位)と対する。「これで満足したら、夏は勝てません。チャレンジャー精神で戦います」と田根主将。夏に弾みをつけるためにも、大会初優勝を目指す。【古地真隆】