今春21世紀枠でセンバツに初出場した由利工が、甲子園帰りの実力を示した。初回に1点を先制されたが、2度の打者一巡を含む猛攻を見せ、計15安打で15点を奪った。昨秋の3位決定戦で勝った能代を7回コールドで退け、夏のシード権獲得の8強進出を決めた。

 県大会デビューの左腕・佐々木瑠我(るか、2年)が先発し、投打で活躍した。初回に1失点も、9番打者として同点に追いついた2回1死満塁から勝ち越し中前打、5回無死満塁でも中前適時打。投げても2回以降の4イニングを2安打無失点に抑え、予定通りに6回から先輩エースの佐藤亜蓮(3年)につなげた。センバツはスタンド応援。今春の地区大会からベンチ入りし、「後ろにエースがいるので思い切りよく投げられた。亜蓮さんを少しでも楽にしたい」と「左の切り札」をアピールした。

 センバツは初戦、0-5で日大三(東京)に敗れたが、無失策の守備に手ごたえをつかんだ。打撃陣は同戦で甘い球を1発で仕留める大切さを学んだ。2投手をリードした主将の畑山陸翔(りくと)捕手(3年)は「打線が援護してくれた。次もしっかりと抑えて打ち勝ちたい」と攻守の連係を誓った。【佐々木雄高】