関東の強豪校が出場した春季高校野球関東大会が、23日に高崎健康福祉大高崎(群馬)の6年ぶり2度目となる優勝で幕を閉じた。

 打ち合いになる試合が多く、強力打線を擁する学校が目立った。その中で、本塁打だけでなく小技も光った“持っている”木更津総合(千葉)の大曽根哲平内野手(3年)が印象に残った。

 20日の2回戦国士舘戦に、9番で先発した。2-1で迎えた4回2死一、三塁で大曽根は初球をとらえた。思い切り走りだしたが、二塁に到達する手前で白球が左翼席に入ったのを確認すると、右手の拳を突き上げた。試合の流れを決める3ラン。何度もガッツポーズをしながらベンチへ駆け寄る姿が、喜びを表現していた。「パワーは全然無いんです。(スタンドに)入れと思いながらダッシュした。うれしかったです」と振り返った。五島卓道監督は「粘っこいタイプ。(本来は)本塁打を打つ子ではないけど、何かを持っている」と話していた。

 さらに大曽根は6回、1死三塁で打席へ。カウント1-1から投手前へ転がすスクイズを決めて、1点を追加した。本塁打を打った次の打席では、小技を見せた。バッティングは得意だが、前の打者が三塁に進んだ時点で、自分の中ではしっかり準備を整えていた。「よし、来い」と直球をうまく転がした。試合は10-2で7回コールド勝ち。初戦で好スタートを切り、木更津総合は4強入りを果たした。

 強打者の本塁打も、犠打も、日頃の練習の蓄積。取り組んできた成果を、多彩な攻撃で披露した。