春季高校野球関東大会で12年以来6年ぶりの優勝を飾った高崎健康福祉大高崎(群馬)が、全国の頂点に向けて再スタートを切る。

 23日まで行われた関東大会では、1試合平均で約13安打、約9・8点と「新・健大打線」をアピールした。プロ注目の山下航汰外野手(3年)、広島の高山健一スカウト(46)を父に持つ高山遼太郎内野手(3年)を中心に、主力で計200本塁打を誇る強打者がそろう。青柳博文監督(45)は「歴代で最高の野手」と称している。主将の大柿廉太郎捕手(3年)は「この流れを、夏につなげていきたいです」と意気込んでいた。

 嫌な思い出を払拭(ふっしょく)する。実は関東大会初出場で初優勝した12年は、甲子園出場を逃しているのだ。群馬県大会4回戦で、伊勢崎清明に1-8で8回コールド負けを喫した。12年春はセンバツの4強に入り、さらに関東大会を制した。しかし軸の投手が故障するアクシデントもあり、まさかの県大会敗退だった。

 関東大会では、4試合すべて継投で5人の投手を起用した。3試合と最も多く先発したのが吉田翔投手(2年)。全4試合でマウンドに上がった久保田悠斗投手(2年)は、制球力の高さを見せた。清水達哉投手(3年)は、2試合でクローザーを務めた。連戦の関東大会を投げきった投手陣は自信をつけており、今後は切磋琢磨(せっさたくま)しながら、激しい競争をすることになる。青柳監督は「6年前の反省をいかして、なんとしても(夏の)100回大会に出たいと思っています」と話していた。

 「新・健大打線」だけでなく、投手陣のブレークにも期待がかかる。