今春センバツ出場の由利工が大曲を5-2で下し、創部57年目で初となる春の東北大会出場を決めた。右肩痛から復活したエース右腕の佐藤亜蓮(3年)が、11安打を許しながらも要所を締め完投。力をつけた打線が12安打5点と援護し初の決勝に進出した。

 7回まで毎回走者を得点圏に背負うものの、崩れなかった佐藤亜は「肩が痛くて投げ込むことができなかったが、気負わずに粘ることができた。点を取られてもいいと思って投げているのでピンチでもリラックスできた」と振り返る。3点リードで迎えた8回、「あんなに曲がるとは思ってもみなかった」とキレを増したスライダーで2者連続の空振り三振を奪い、体力の落ちる終盤も加速した。

 渡辺義久監督(39)は「センバツ以降に調子を落とし投げ込みをしてこなかったが、久々の接戦でしっかり勝てたことは大きい」と期待を寄せた。甲子園で日大三に0-5で敗れ、「6点取れる打線」を構築中の攻撃陣も応えた。適時三塁打を放った石原は「打てなくても亜蓮が最少失点に抑えてくれたが全国では打てないと勝てない(今日は)援護できてよかった」と手応えを口にした。