全国高校野球選手権大会の第100回大会記念事業として、東京都高野連が12月に高校生の選抜チームでは初となるキューバ遠征を発表した。

 キューバのU17チームを相手に、5試合を予定。監督は帝京・前田三夫監督(68)が務め、日大三・小倉全由監督(61)、早実・和泉実監督(56)、二松学舎大付・市原勝人監督(53)がコーチを務め、現地では選手や関係者との交流会も実施される。

 前回は14年に東南アジアに遠征し、ミャンマー、シンガポールを訪れた。監督は二松学舎大付・市原監督が務めた。当時のメンバーは現在、国際武道大で主軸の勝俣翔貴内野手(東海大菅生)、早大の4番の加藤雅樹外野手(早実)、国学院大の主軸の伊藤雅人内野手(関東第一)、日大で投打に活躍する田村孝之介投手(日大三)らが、大学球界でプレーする。

 米国・ロサンゼルスに遠征した11年のメンバーからは、プロで活躍する選手が4人誕生した。広島の鈴木誠也外野手(二松学舎大付)、日本ハムの石川亮捕手(帝京)は高卒でプロ入り。ロッテの佐々木千隼投手(日野)、楽天の池田隆英投手(創価)は大卒でプロ入りした。監督を務めた日大三・小倉監督は「みんな、夏の大会で成長した姿を見せてくれた」と今回も成長を期待する。

 今回の遠征メンバーは1、2年生を対象に、11月に実施するセレクションで20人選考する。前田監督は「キューバは力強い印象があります。ピッチャーはダイナミックだし、打線はフルスイング。力対力の勝負ができるような編成をしたいです。東京都の選抜チームがどれだけ戦っていけるか、力を試したいです」と構想を描いた。

 選考対象の1、2年生には、今春のセンバツで注目を浴びた最速147キロの日大三・井上広輝投手(2年)、190センチ右腕の日大三・広沢優投手(2年)、早実・伊藤大征投手(2年)ら、下級生から公式戦に登板する好投手が存在する。夏の大会に向け、成長する選手も含め、20人の精鋭でキューバと対峙(たいじ)する。【久保賢吾】