高校野球特集の第2回は、全国の有望選手にスポットを当てる「ピカイチ打者」。今秋ドラフト1位候補の報徳学園(東兵庫)・小園海斗内野手(3年)を取り上げます。走攻守3拍子そろった遊撃手で、プロスカウトの注目度もピカイチ。3大会ぶりの甲子園、そして「日本一のショート」を目指します。

 小園のグラブと帽子には「日本一のショート」の文字が記されている。中学時代からこだわっている言葉だ。枚方ボーイズでは練習中から「日本一になる」という言葉が飛び交い、実際に全国制覇も果たした。野球を始めた小学生の時から守り続けた遊撃のポジションには「一番輝いてるし、中心。そこで守れるのはうれしい。誰にも負けられない」とこだわりがある。

 17年春、2年生で出場したセンバツでは4強に輝いた。しかし昨夏と今春は、甲子園に届かなかった。今春の県大会では初戦敗退し、10年ぶりに夏のシード権を逃した。「1回戦で負けて悔しさ、悲しさを知って、夏しかないなと思った。最後の夏にかけようと、すぐに切り替えました」と前を向く。

 2年生ながら主力として活躍した昨年のU18W杯。木製バットに対応して打率3割7分8厘の成績を残したが、それ以上に学んだものも大きい。帰国後はテレビの特集なども見返した。「清宮さんはミーティングで使う言葉が(ほかの人と違って)すごかった。増田さんや中村さんは打てない時に一番に声を出して盛り上げていた。プロに行く選手はすごいと思いました」。日本ハム1位の清宮、広島1位の中村奨、ロッテ1位の安田にソフトバンク3位の増田…。目指すべき手本に囲まれていた。

 「まずは甲子園に出ることが目標」と小園。報徳学園は第60回、80回、90回と記念大会の聖地を踏んだ。第100回の今年、小園が日本一輝くショートになる。【磯綾乃】

 ◆小園海斗(こぞの・かいと)2000年(平12)6月7日、兵庫県生まれ。小学1年から宝塚リトルで野球を始め、光ガ丘中では枚方ボーイズに所属。報徳学園では1年春から正遊撃手。2年春の甲子園に出場して4強。昨年はU18代表としてW杯に出場し、今年も第1次候補に選ばれている。遠投105メートル。50メートル走5秒9。178センチ、79キロ。右投げ左打ち。