「群馬のドカベン」が、バットで意地を示した。藤岡工・松本晃貴捕手(3年)が3回1死二塁から、好投手の前橋育英・恩田から先制の適時打をマーク。変化球に反応し、中前にはじき返した。1回にも左前を放ち、マルチ安打。捕手でも先発の内田蒼馬投手(3年)を好リードし、5回までは1失点に抑えたが、6回以降、得点を重ねられ、力負けした。

 身長171センチ93キロの大型捕手で、漫画「ドカベン」の主人公の山田太郎をほうふつとさせる。周囲の人からも「ドカベン」と言われるそうだが、打撃フォームは西武森にそっくりの体の重心を下げたフォームでバットを振った。「フォームは父親から、『重心を低く』と言われ、それを意識しています」と説明。「(2安打は)理想的な形で打てたので良かったですが、チームが負けたので悔しいです」と涙を流した。